○老人福祉施設入所等措置事務取扱要綱

平成5年3月30日

要綱第2号

老人福祉施設入所等措置事務に関する取扱いについては、次のとおりとする。

(措置の実施者)

第1条 老人福祉法(昭和38年法律第133号。以下「法」という。)第11条に規定する措置の実施者は、老人の居住地又は現在地(法第11条第1項第1号若しくは第2号又は生活保護法(昭和25年法律第144号)第30条第1項ただし書の規定により入所している者についてはその者の入所前の居住地又は現在地)によって定める。

この場合における居住地とは、老人の居住事実がある場所をいうものであるが、現にその場所に生活していなくても、現在地に生活していることが一時的な便宜のためであり、一定期限の到来とともにその場所に復帰して起居を断続していくことが期待される場合は、その場所を居住地として認定する。

なお、居住地がないか、又は明らかでない者に対する措置の実施者は、次に掲げるとおりとする。

(1) その措置を要する老人(以下「要措置者」という。)が被措置者であるときは、当該保護の実施機関が認定した現在地を管轄する市町村

(2) 要措置者が被保護者でない者であって、生活保護法第38条に規定する救護施設、更生施設及び宿泊提供施設、法第14条に規定する養護老人ホーム、特別養護老人ホーム及び軽費老人ホーム並びに児童福祉法(昭和22年法律第164号)第38条に規定する母子寮以外の社会福祉施設並びに病院等に入所院)しているものであるときは、当該施設等の所在地を管轄する福祉事務所を設置する都道府県又は市町村

(3) 要措置者が被保護者でない者であって、浮浪者等であるときは、その措置する時点において、その者の現在地を管轄する福祉事務所を設置する都道府県又は市町村

(要措置者の発見及び調査)

第2条 措置の実施者である町長は、常に、要措置者の発見に努めるとともに、住民、関係行政機関から要措置者の発見に協力が得られるよう、制度について周知徹底を図っておかなければならない。

2 町長は、老人、その家族、民生委員からの申出、通告等により、又は自らの調査により、措置の対象と見られる老人を発見したときは、措置の要否を判定するため、本人又はその扶養義務者に係る養護の状況、生計の状況その他必要な事項につき調査を行い、又は必要に応じ民生委員、税務官署等に調査を依頼することができる。

(指導の措置)

第3条 指導については、おおむね次のようなものに重点をおいて行う。

(1) 老人とその家族との関係が緊張し、調和を欠く家庭について、そのような関係が改善されるよう指導すること。

(2) 養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホーム(以下「老人ホーム」という。)に入所することが適当であると認められるにも関わらず、偏見等によりこれらの措置を受けないでいる老人に対して、それらの措置を受けるよう助言、指導すること。

(措置の手続)

第4条 老人ホームへの入所措置決定の手続については、次による。

(1) 町長は、老人ホームへの入所措置を判定するため、医師、老人福祉施設の長、地域包括支援センターの長及び町老人福祉担当者のそれぞれの代表者で構成する「入所判定委員会」(以下「委員会」という。)を設置し、入所措置の開始、変更等にあたっては、委員会の意見を聞くものとする。ただし、特別養護老人ホームに係る判定については、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「介護保険法」という。)第27条に基づく要介護認定の結果を基本とするものとし、委員会を開催しないことができるものとする。

(2) 委員会の開催は、養護老人ホームの求めに応じて行うことができるものとする。

(3) 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)第9条の規定により、養護者による高齢者虐待を受け、生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められる高齢者を一時的に保護する場合は、委員会の開催を待つことなく入所措置を行うことができるものとする。

(4) 委員会は、養護老人ホームへの入所措置の要否の判定については、第5条第1項に定める基準に基づき、その者の健康状態、その置かれている環境の状況等について、「老人ホーム入所判定審査票」(別紙1)により総合的に判定を行い、その結果を町長に報告するものとする。

(5) 特別養護老人ホームへの入所措置の要否の判定については、第5条第2項に定める基準に基づき、介護保険法第27条に基づく要介護認定の結果により総合的に判定を行うものとする。

(老人ホームの入所措置の基準)

第5条 法第11条第1項第1号の規定により、老人を養護老人ホームに入所させ、又は入所を委託する措置は、当該老人が次の各号のいずれにも該当する場合に行うものとする。

(1) 環境上の事情については、次の及びに定める基準に該当すること。

事項

基準

ア 健康状態

入院加療を要する病態でないこと。

イ 環境の状況

家族や住宅の状況など、現在置かれている環境の下では在宅において生活することが困難であると認められること。

(2) 経済的事情については、老人福祉法施行令(昭和38年政令第247号)第6条の規定する事項に該当すること。

2 法第11条第1項第2号の規定により、老人を特別養護老人ホームに入所させ、又は入所を委託する措置は、当該老人が、介護保険法第27条に基づく要介護認定において要介護状態に該当し、かつ、健康状態が前項に掲げる表のアに定める基準に該当する場合に行うものとする。

(養護受託者への委託の措置)

第6条 養護受託者の決定は、次による。

(1) 法第11条第1項第3号に規定する養護受託者の決定は、少なくとも次の基準のすべてに適合する者について行うこと。

 本人及びその家族が老人の養護受託について理解と熱意を有する者であること。

 本人及びその家族が身体的、精神的に健康な状態にある者であること。

 当該世帯の経済的状況が、委託する老人の生活を圧迫するおそれがないものであること。

 その居住の規模、構造及び環境が老人の健康な生活に適すること。

 受託の動機が老人の労働の強制又は委託費の不正利得のおそれがないものであること。

 本人及びその家族の性格、信仰等が老人の心身に悪影響を及ぼすおそれがないこと。

(2) 養護受託者として決定しようとする者に対しては、事前に一般的な委託の条件を十分に了知させておくこと。

2 養護委託の手続については、次による。

(1) 委託の措置を決定するにあたっては、あらかじめ次の措置をとること。

 養護受託者に対し、委託しようとする老人の健康状態、経歴、性格、信仰等について了知させること。

 養護受託者と委託しようとする老人を面接させること。

 養護受託者と委託しようとする老人が委託の措置について合意に達していることを確認すること。

(2) 委託の措置を決定したときは、養護受託者に対し、委託の条件として、少なくとも次に掲げる事項を文書をもって通知すること。

 処遇の範囲及び経理の方法

 委託費の額及び経理の方法

 養護受託者と委託された老人相互の関係において損害を被った場合、町長がこれを賠償する責任を負わないこと。

 町長が、養護受託者について老人の養護に関して必要な指導をしたときは、これに従わなければならないこと。

3 次のいずれかの場合に該当するときは、委託の措置は行わないものとすること。

(1) 当該老人の身体又は精神の状況、性格、信仰等が養護受託者の生活を乱すおそれがある場合

(2) 養護受託者が老人の扶養義務者である場合

(3) 同一の養護受託者が2人以上の老人(それらが夫婦等特別の関係にある場合を除く。)を養護する場合

(措置の開始、変更及び廃止)

第7条 老人ホームへの入所又は養護委託の措置の基準に適合する老人については、措置を開始するものとする。

なお、措置を開始した後、随時当該老人及びその家族を訪問し、必要な調査及び指導を行うものとする。

2 老人ホームへの入所及び養護受託者への委託の措置のうち、いずれかの措置をとられている老人が、他の措置をとることが適当であると認められるに至った場合は、その時点において、措置を変更するものとする。

3 老人ホームへの入所又は養護受託者への委託の措置は、当該措置を受けている老人が次のいずれかに該当する場合、その時点において、措置を廃止するものとする。

(1) 措置の基準に適合しなくなった場合

(2) 入院その他の事由により、老人ホーム又は養護受託者の家庭以外の場所で生活する期間が、3箇月以上にわたることが明らかに予想される場合、又はおおむね3箇月を超えるに至った場合

(3) 養護老人ホームへの入所の措置を受けている老人が、介護保険法に基づく施設サービスの利用が可能になった場合

(4) 特別養護老人ホームへの入所の措置を受けている老人が、やむを得ない事由の解消により、介護保険法に基づく施設サービスの利用が可能になった場合

4 町長は、老人ホームの入所者について、年1回入所継続の要否を見直すものとし、入所の継続が認められないと判定された者については、措置の廃止又は変更等を行い、「要措置変更者台帳」(別紙2)を整理するものとする。

(65歳未満の者に対する措置)

第8条 法第11条第1項第1号又は第3号に規定する措置において、65歳未満の者であって特に必要があると認められるものは、法第11条第1項第1号又は第3号のいずれかの措置の基準に適合する者であって、60歳以上の者について行うことができる。

ただし、60歳未満の者であっても次のいずれかに該当するときに限り、老人ホームへの入所措置を行うことができる。

(1) 老衰が著しく、かつ、生活保護法に定める救護施設への入所要件を満たしているが、救護施設に余力がないため、これに入所させることができないとき。

(2) 初老期における認知症に該当するとき。

(3) その配偶者が老人ホームの入所の措置を受ける場合であって、かつ、その者自身が老人ホームへの入所基準のうち、年齢以外の基準に適合するとき。

2 法第11条第1項第2号に規定する措置において、65歳未満の者であって特に必要と認められるものは、法第11条第1項第2号の措置の基準に適合する者であって、介護保険法第7条第3項第2号に該当するものについて行うものとする。

(移送)

第9条 町長は、老人が老人ホームへ入所する場合若しくは老人ホームから退所する場合又は老人が養護受託者の家庭に入る場合若しくは養護受託者の家庭から出る場合においては、必要に応じて移送を行うことができる。

(葬祭の措置)

第10条 法第11条第2項に規定する葬祭の措置は、老人ホームに入所した者及び養護受託者にその養護を委託した者が死亡した場合において、速やかに葬祭を行う者の有無を調査し、葬祭を行う者がないことを確認した上で行うこととする。

2 葬祭の措置は、死亡の診断又は死体の検案、死体の運搬、火葬又は埋葬、納骨等適当と認められる範囲内で行うこととする。

(遺留金品の取扱)

第11条 法第27条に規定する遺留金品の取り扱いは、生活保護法第76条の規定に基づく遺留金品の処分の例により取り扱うものとする。

この要綱は、平成5年4月1日から施行する。

(平成17年11月21日要綱第9号)

この要綱は、公布の日から施行する。

(平成20年4月3日要綱第3号)

この要綱は、公布の日から施行する。

(平成23年2月18日要綱第5号)

この要綱は、公布の日から施行する。

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老人福祉施設入所等措置事務取扱要綱

平成5年3月30日 要綱第2号

(平成23年2月18日施行)