○公立学校対外競技の基準
昭和41年8月25日
教委告示第14号
学校の対外競技は、学校体育の一環として重要なる位置を占めるものであり、それが真に教育的に企画運営されるならば、児童、生徒の身体的発達及び社会的性格の育成のよい機会としてその教育的な効果は極めて大きい。
然し乍らその運用如何によっては、ややもすれば勝敗にとらわれ、心身の正常な発達を阻害し、限られた施設や用具が特定の選手に独占され、学業がおろそかになり、練習や試合のために多額の経費を費すなど、教育上望ましくない結果を招来する慮がある。
児童、生徒の対外競技を教育的に運営するためには、教科としての体育、クラブ活動、校内競技などの関連を充分考慮し、学校体育の一環として行わなければならない。
従ってそれぞれの学校が対外競技に参加する場合には、学校長の責任において、競技会の性格を充分検討し、学校教育全体の立場、かつ無理がないように取扱わなければならない。又学校を代表しないで競技会に出場する場合においても、この基準によって逸脱することのないよう指導すること。
1 小学校においては対外競技は行わない。ただし、親睦を目的とする隣接校との連合運動会は、その目的を逸脱しない限り行って差支いない、この場合主催者は、教育委員会、学校とする。
2 中学校の対外競技の範囲は、教育局管内にとどめることを原則とする。ただし、特別なものについては教育委員会において別に審議して決定する。
(1) 中学校の対外競技は年1回程度とする。
(2) 大会を行う場合なるべく宿泊を要しないよう計画する。
(3) 個人競技では、日本的水準に達しているもの及びその見込みのあるものについては、委員会の審議を経て、個人として全道及び全国選手権大会に参加させることができる。この場合当該生徒の在学する学校長からその旨教育委員会に申請する。
3 大会参加又は招待して対外競技を実施する場合には、関係学校長は大会実施前に、諸事項を記入した書類を委員会に提出し、終了後は直ちにその結果を報告すること。
4 児童、生徒の参加する競技会は、教育関係団体又は機関が主催し、その責任において運営するものに限る。
5 対外競技は、長期休暇中又は学業に支障のない日に行うを原則とする。
6 選手は単に競技成績のみによらず、本人の意志、健康、学業、品性その他を考慮して決める。
7 対外競技に参加する者は、それが個人の資格であると否とにかかわらず、予め健康診断を受け、その健康証明を得なければならない。
8 対外競技は、児童生徒の心身の発達や性別に応じた運営をしなければならない。そのため必要な競技規則を設けることが望ましい。又女子が対外競技に参加する場合には、女子教員が付き添うようにすることが望ましい。
9 学徒児童、生徒の競技会については、種目的に実施することなく、シーズン制を採用して総合大会の形式をとるのが望ましい。
10 応援については、児童、生徒としてふさわしい態度をとるよう適正な指導をしなければならない。
11 その他この基準に定めるもののほか、北海道における対外競技の基準について(昭和31年7月21日保第379号教育長通達)学徒の対外競技について(昭和36年6月10日文体第139号文部事務次長通達)の各事項を準用するものとする。